儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

呼び捨てされる嬉しい響き Good Chance 期待しちゃうな

LOSERVILLE(3/16・17:00開演・新橋演舞場)

瑞稀担のお友達と一緒にルーザーヴィル見に行ってきました。初の桟敷席!!ゆったりしていて快適でした。お弁当も美味しかったです。

写真撮るのが下手なのはあまり突っ込まないでください……

1971年という舞台設定、カラフルで少しサイケなセット、おたくが世界を変える、というテーマから、1960~70年代によく見られた、今ここに存在している自分ではない、別の自分を見つける系のお話かと思いましたが、全く違う、むしろ今の自分のままで戦う、成功することがテーマとなっている今っぽいお話でした。自分らしさを武器に結果を出していくおたくたち。その中で唯一、成功する姿が最後まで描かれないのがルーカスです。彼は他の登場人物とは異なり、物語冒頭から成功が約束されている人物として描かれています。ルーカス、という名前もそうですし、「スターウォーズ」というタイトル案もそう。そして最後に、彼がずっと書いている小説が「小説よりも映画脚本にふさわしい」と言及され、レイアのことを心の中で「プリンセス・レイア」と呼んでいたことが明らかになり、ああ、やっぱり、と第四の壁のこちら側の人間は思うわけです。それでも、ルーカス一人だけ、夢が叶う瞬間が引き伸ばされ、宙吊りになっているのですよね。彼だけが、うだつの上がらない日常に沈みながら、まだ見ぬ未来、潜在的な自分を幕が下りる瞬間まで抱えている……だからこそ、わたしは他の魅力的なキャラクターより、ルーカスに心奪われてしまったのだと思います。たしかにルーカスはマイケルが頑張って構築したプログラムの抽出を邪魔するし、挙句の果てにエディに金庫の番号教えちゃうし、最悪な奴ですよ!!でも、周りが前に進んでいるのに自分だけ足踏みしている、という状況の中、もがいている姿にはちょっとだけ共感してしまいました。あとレイア役の人めちゃめちゃ歌上手い。ミュージカルというよりも歌手っぽい上手さだな……と思っていたら本当に歌手の方でした。女の子たちの衣装はカラフルでかわいいし、何よりもホリーの白縁めがねがおしゃれ!それに、各々自分の世界を大切にしながらきゃっきゃしてるおたく4人組もかわいい!!特にマイケルとルーカスの二人で歌う冒頭のナンバーが元気いっぱいで好きです。ぴょんぴょんしてるマイケルとルーカスがひたすらにかわいいナンバーでした。