儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

呼び捨てされる嬉しい響き Good Chance 期待しちゃうな

SHE LOVES ME(5/6・13:00開演・シアタークリエ)

13年ぶりのシーラヴ!4年ぶりの5月のクリエ!というわけでシーラヴ見に行ってきました。

改めて見て、わたしはアマリアというキャラクターが凄く凄く好きだなあ、と感じました。前回観た時は自我が確立していなかったこともあり、アマリアのことをただただかわいい女の子としか思っていなかったんです。でも、今こうして見てみると、初めて店に来た時の挙動不審な様子、おどおどしているかと思えば急に大きな声で喋り出す姿と言い、読書好きで人とは少しずれていて、手紙の相手に本気で恋愛してしまうことと言い……王道の「かわいい」ではないかもしれないけれど、キュートさがあるなあ、と。不器用で、あまり上手くは生きられない姿がいじらしくて、ああ、かわいいなあ、と思ってしまいます。もちろん、キャストが違うから印象も異なってくる部分があるというのも事実でしょう。でも、わたしが生きてきた13年間という時間も大きく影響している気がします。わたしはこのアマリアの人生を他人事とは思えない。このキャラクターはわたしにどこか似ている、と思えたというそれだけで見に行った価値があったような気がします。

けれども一つ言いたいのは、何故、ブロードウェイ版では「By the way, have you read, War and Peace?」であり、2009年公演では「ところで 君は 読んだ?『戦争と平和』」だったところが『ドストエフスキー』になっているのか?ということ。シーラヴは手紙によって人間関係が構築されていくお話。そして、手紙の内容の核の部分は読書であり、犬猿の仲だったアマリアとジョージの関係性が変わるきっかけもまた、一冊の本、トルストイの「アンナ・カレーニナ」なんです。トルストイという共通の話題がある……そのことによりアマリアはジョージに親近感を抱き、同時に手紙の相手とジョージの重なりを見るわけですが、だったらやっぱり手紙の話題だって『戦争と平和』じゃないと繋がらないと思うのですよ!!!ロシア文学だったら一緒だろう、ということにはならないと思うのです!!!歌詞を「ドストエフスキー」に変えるんだったら、アンナ・カレーニナについて語る部分も「人からお金を借りるたびに思い出すんだ、妹の妊娠を知ってぶっ倒れるアルカージイのことを……」とかにした方が良いんじゃないでしょうか。きっと二人のラブストーリーは始まらないと思いますが……