儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

呼び捨てされる嬉しい響き Good Chance 期待しちゃうな

なんだろう、今の彼と似たような姿の彼を以前に見た気がする。それは美雪の横顔を見ているとなにか思い出しそうになる感覚と似ているが、美雪の場合とは違い、彼に似た誰かではなく、過去の彼自身にまつわる記憶だった。
綿矢りさ『ひらいて』

「美雪の横顔、なにかに似てるってずっと思ってて、思い出せなくて、でもいま、思い出した。うちの玄関の飾り棚に置いてある、鼻を抱えた天使の像だ。いつも見てるのに、気づかなかった」
綿矢りさ『ひらいて』

愛ちゃんにとって美雪は天使だった、とひらいて本に書いたような気がします。じゃあ、たとえは何だったのか。解釈は色々あると思うけれど、背中をぴたりとくっつけて同じ場所に立っている、そんな二人だったんじゃないかとわたしは思います。愛ちゃんとたとえは似ている。なんだか勿体なくてひらいてのディスクをまだ通して見られていないので、そろそろひっそり一人で見たいな、と思っています。