儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

始めようよ we're gonna do it right.

You're my sunshine.とI wanna be your sunshine.のはなし(その106)

言わずと知れたキンプリのデビュー曲、シンデレラガールの歌詞に「I wanna be your sunshine」というフレーズがあります。わたしは初めて聴いたとき、「アイドルらしい、いい意味でありふれたフレーズだな~」と流していたのですが、去年の夏のある日、このフレーズに対し突如として物凄い衝撃を受けました。「これはもしかしたらデビュー組にしか許されないフレーズなのでは?」と。

I wanna be your sunshine. 直訳すると、僕はあなたの太陽になりたい。もっと深読みすれば、僕はあなたの希望になりたい、というような意味でしょうか。まさか人間が本当に太陽になれるわけもなく、比喩表現であることは違いないでしょから、ここでのsunshineは希望とか、明るさとか、そういった意味でとるべきでしょう。そうすると、この「I wanna be your sunshine.」という歌詞は「あなたを輝かせたり楽しませたりできる存在になりたい」という意味だと考えることできます。なるほど、いかにもアイドルらしいフレーズです。しかし、このフレーズはキンプリが歌うから成立するのであって、ジュニアの子には歌えない歌詞であると思います。なぜならジュニアには必ずそこにいるという確実性がないからです。

デビューするということ。それは単にCDをリリースし、それがその後も続くというだけでなく、事務所によってある程度身が保証されるという、ほぼ終身雇用を意味するとわたしは考えています。余程のことがない限り、ステージからいきなり消えるなんてことはありえない。昨日いたはずなのに今日はいない、ということは滅多に起きません。(余程のことがあれば起きますが……) しかしその一方で、ある日突然姿を消す、という「そんなのありかよ……」ということが頻繁に起こるのがジュニアです。突然ショップから写真が消える。突然サイトから名前が消える。そして、突然ステージからいなくなる。それが当たり前に起こる世界なのです。そんな世界に身を置いている子は、きっと、「I wanna be your sunshine」とは歌えない。もしかしたら明日には消えてしまうかもしれない。もしかしたら明日には普通の男の子に戻っているかもしれない。あまりにも、太陽とは正反対すぎる。絶対にそこにいる、という存在の確実性が弱すぎます。

わたしにとっては、もちろん作間もハイのほかの4人も希望だし、太陽のような存在だけど、世間一般から見たらそうじゃないかもしれない。太陽は動かずにいつでもそこに存在し続け、他の何よりも輝いている。だから希望や明るさの比喩として用いられるのでしょう。けれど、ジュニアはそれとはあまりにもかけ離れている。

だから、HiB HiB Dreamでは「You’re my sunshine.」と歌っているのではないかと思うのです。あなたは僕の希望です。おたくがアイドルにとっての希望であるかどうかという議論はここでは置いておきますが、おたくがいないとアイドルというエンターテイメントが成り立たないものであるということは事実でしょう。特にジュニアの世界では。最近ではテレビをはじめとするメディア露出も増えてきましたが、それでもごく限られた人を対象にしたエンターテイメントであることに変わりはありません。何回も現場に足を運ぶ人が、何回も同じ動画を見る人がいなければ成り立たない。そういうショービジネスなのです。

ただ、だからと言って、それが悪いこと、劣っていることとは思わないんですよね。未熟なものにしかない魅力や美しさというのも当然ありますし、何より、手作りかつ手探りの状態は見ていて面白い。受け手側もまるで作り手側にいるような感覚にさせるのは、上手く出来ているなあと感心してしまいます。とはいえずっと「You're my sunshine.」と歌える状況が続いてほしいとも思いませんが……

 

 

という春頃に書いた下書きが残っていたので少し書き直したり付け加えたりして今日の分の日記にしてみました。明日に続く。