儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

きっと戻れない日々眺めてた。たった一つが欠けて、諦めて。

その24

 やっぱり今日も書くことがないのでじゃにぃずじゃないアイドルの話をします。

 以前にも何度か書いたことがあったかもしれませんが、わたしの通っていた高校は何もかもがゆるゆるだけど、その一方であらゆるものがきっちりとしていて、自由と不自由が同時に存在している不思議な空間でした。そして、生徒に関して言えば、勉強のできる子がほとんどで、小さいときから良い環境に置かれていたという子が多かった。だから、突然友達から「実は自分の通ってた中学校にアイドルやってる子がいてさ~」という話をされたときはとても驚いたのです。周囲をNバッグ愛用者で固められていたような子(これはただのわたしの偏見)の周りにもアイドルっているのか!?ていうかNバッグを背負っていたアイドルって超ときめかないか!?めちゃテンション上がる!!と。特にその子はコンビニ弁当も食べたことがなかいという生粋のお嬢様育ちで、子役はいてもアイドルなんて周囲にいないと思っていたから余計に衝撃だったのです。と同時にそれくらい、アイドルなんてどこにでも、それこそお嬢様ばかりの私立校にも屋上で爆竹が鳴り響く公立校にもいるのだなあと思ったのですが。

 友達の話を聞いてみると、どうやらそのアイドルの子は地下アイドルグループに所属しているようでした。いや、正確には地下というほどでもなく、そこそこ人気もあったようなのですが、インディーズだし地上とも言い切れないのでここでは地下としておきます。で、そのアイドルの子は部活にも入っていて友達もたくさんいて、芸能活動をしながらも普通に学校生活も充実させていたみたいなんですけど、わたしの友達はその子のことをあまりよく思っていなかった。文化祭の出し物で目立っていたこととか、服とか髪とかメイクとかが好みでないとか、色々な理由を並べていたけれど、結局はアイドルという自分とは全く違う人種が自分の学び舎にいたということが気に入らなかった、理解できなかった、のだと思います。わたしの友達は、そのアイドルの子と挨拶をしたこともなければ面識もなく、そもそも廊下ですれ違ったこともあるかないかくらいだったらしいのですが、それでもその子はあらゆるものにケチをつけていて、なんというか、隣でその話を聞いているわたしは、理由の良く分からない居心地の悪さを抱くしかありませんでした。軽蔑と羨望が混ざった言葉。一人の中学生としてのその子のことをよく知らなければ、アイドルとしてのその子のことも知らないのに。友達の話を聞きながらそんなことを考えていたけれど、でも、その子の言葉に文句を言うことはできませんでした。そもそも他人の好き嫌いに口出しする資格なんて誰にもないと思っていたし、そうすることで何かが変わるとも思わなかったからです。その代わりに、わたしはそのアイドルの子を「好き」と言うことに決めました。Twitterに載せていた自撮りがかわいかったことも理由の一つではあるんですけど(わたしは単純な奴なのです)とにかくそのアイドルの子を「好き」と言って、この子がアイドルだということを証明したかった。どこにでもいるような中学生じゃないんだよって示したかったのです。今考えれば余計なお世話でしかないし、わたしがそうしたところで何かが変わるってわけでもありません。でも、でもでもでも、わたしはそうしたかったのです。校舎の中にいる自分のことを全く知らない人。そういう人に陰で噂話をされている。あることないこと言われてる。そんな状況下でもアイドルをやってるって、凄く凄くかっこいいじゃん。わたしもそんな風に生きてみたいよ。そう言いたかったのです。そう言うことがアイドルのおたくであるわたしの義務のような気がしたし、そう言わないとアイドルのおたくとしての自分が傷つけられるような気がした。

 ていうか、わたしは多分、友達がそのアイドルの子のことを悪く言っているのがただ単純に気に入らなかっただけなのかもしれません。アイドル全般を否定されたような気持になっていたんだろうな。我ながら短絡的。16歳って子どもだな……(結局16歳の話)ちなみに、そのアイドルの子が歌って踊る動画をその日家に帰ってから見たのですが、小さなライブハウスで動員数も少ないのに、凄く楽しそうで曲もかわいくて、衝撃を受けたのを覚えています。こんな歌詞を歌ってくれる子がいるなんて、やっぱりこの世界は楽しすぎる!アイドルが好きだ!と改めて思いました。今でも大切な曲の一つです。もしかしたらこのブログの本当の始まりはその日だったのかもしれません。

 わたしの好きなアイドルにも当然のように学校や家庭、地域など、アイドル以外の居場所を持っているわけで、その中には芸能活動のことをよく思っていない人もいるのかもしれません。でも、その人の友達とか知り合いとか、そういう少し遠く離れたところにいる人が「別にアイドルやっててもよくない!?ていうか学校行きながらもアイドルやってるとかかっこよくない!?俺は好きだし!!」みたいに思っていてくれたらいいな、と思います。それによってわたしの好きなアイドルが救われることはないんでしょうけど、おたくであるわたしはちょっとだけ救われると思う、たぶん。