儚いから愛おしく、慈しむほど輝く

きっと戻れない日々眺めてた。たった一つが欠けて、諦めて。

父のこと

わたしの父は20年前の秋葉原に生息するいにしえのおたくという雰囲気の人だ。取りあえず美少女が出てくるアニメを片っ端から視聴し鉄道模型の改造に日夜励む。日曜にはそれこそ秋月電子に赴き面白そうな部品を買ってきては色んなものを作っている。しかし、そんな父はある一部の人からは感謝される存在、らしい。よくは知らないのだけれど、かつて、一定の層の人たちの役に立つものを作ったことがあるらしい。その証拠に本棚には父の名前が書かれている本が数冊並んでいるしウェブ上の辞典には父の名前が刻まれている。特別頭が良いわけではない。学歴も誇れるようなものではないだろうし、親戚の集まりではいつも居心地が悪そうにしているくらいにはコミュ力もない。深夜3時まで鉄道模型をいじくりまわし、18歳の娘に2時間近く延々と90年代のネットの愉快さを語るという傍迷惑な側面も持ち合わせている。それでも、わたしは父が好きだ。好きなものを究めて誰かのためになるものを作り上げたことも、その一方で自分のためにしかならない鉄道模型の改造に励むことも、尊敬している。世間一般からしたらどうしようもない人かもしれないけど、わたし的には最強にロックだなあと思う。いつかわたしもそういう人になれたら良いなあ。好きなもので誰かを、わたしを最高にときめかせてみたいね。